Artist:ヴァレリー・カーター
Album:Just A Stone's Throw Away(愛はすぐそばに)
Song:Ooh Child
キュート(Cute)という言葉があります。文字通り「可愛らしい」の意味のほかに「りこうな, 気のきいた」とか「ちょっとお転婆な」という意味合いもあるようで、ヴァレリー・カーターのこのアルバムを一言で表すとしたら、まさに「キュート(Cute)なアルバム」という一言につきます。まずはなんといっても可憐なジャケに惹かれます。特に「女性の帽子ジャケ」に弱い私はなおさらです。男子だったらこれがレコード屋のエサ箱のなかにあったらとりあえず、手にとってみるでしょう。
「どれどれ」クレジットを眺めてみましょう。”ロウェル・ジョージ、ビル・ペイン、ポール・バレル(ほほう~リトル・フィートね)、ジョン・ホール(オーリアンズも?)ジェフ・ポカロ、フレッド・タケット(渋いとこ参加してるね)、アル・マッケイ、フレッド&ヴァーダイン・ホワイトにラリー・ダン(おお、EW&F(アース・ウィンド&ファイヤー)まで?)チャックレイニー、アニーワッツ(Jazz畑の人も?このあたりからちょっと動揺)、「なになに」、ジョン・セバスチャン、ジャクソン・ブラウンにリンダ・ロンシュタット(いったいこの可憐な少女はいったい何者?)”ということになります。
このヴァレリー・カーターのファースト・アルバムは1977年、22才の頃にリリースされていますが、ヴァレリーの実質的なデビューはそれより三年前、19才の時に逆戻ります。ジョン・リンドとリチャード・ホーベイと三人で組んだ、「ハウディー・ムーン」が実質的なデビューで、1974年。A&Mから同名のアルバムを一枚だけ残しています。まだ初々しさが残る、ヴァレリーのボーカルでしたが、このアルバムですでにロウェル・ジョージやジョン・セバスチャン、アンドリュー・ゴールド、ヴァン・ダイン・パークスなどがサポートしていましたのでそれなりの評価はされましたが、大きなヒットには至りませんでした。メンバーのジョン・リンドはこのプログでも何回か取り上げています。”フィフス・アヴェニュー・バンド”の主要メンバーで、その後、全米ナンバー・ワン・ヒットとなったEW&F(アース・ウィンド&ファイヤー)の”ブギー・ワンダーランド”やマドンナの”クレイジー・フォー・ユー”など、ソング・ライターとして、その後、華々しく活躍するようになります。そのあたりの交友関係がこのアルバムにも反映されていたのかもしれません。
この”Ooh Child"という曲はThe Five Stairstepsが1970年にヒットさせたのがオリジナルですが、ヴァレリーの他にもNina Simone,The Spinners,NewBirth,Richie Havens,
Lenny Williams,Leotis,Hall&Oates,Wondermints,Beth Orton,Destiny's Childなど数々のカバーがあります。しかし、声といいアレンジといい,このヴァレリーのヴァージョンをさしおいては語れないぐらい素晴らしい出来です。
1年後には「ワイルド・チャイルド」という2枚目のアルバムを残し、しばらく僕らの前から消えてしまったヴァレリーですが、1990年頃に復活。何枚かソロアルバムもリリースし、現在もジェイムス・テイラーや色々のミュージシャンのライヴのバック・コーラスなどで元気な姿をみることができます。
この可憐なジャケットは是非、アナログ・レコードで・・・・。
いつもそばにおいておきたい「キュート(Cute)」な一枚です。
(The Five Stairstepsのオリジナル曲はここ)
(映像が超カワユイです、必見)
くぁわいい顔と、キュートな声と、
返信削除しかししっかりした歌唱力と。
きっとこんな人が山ほどいるんだろうなあ。
今流行のJポップスの雰囲気とは違った、
刹那的でない曲作り。
よかねえ、安心して楽しめる。
総合的なプロデュースはジョージ・マッセンバーグという人なんですが元々エンジニア畑だそうで、かなり音へのこだわりがあったと思います。各楽曲のアレンジを適材適所、それぞれの専門家(?)に任せたこともよかったのではないでしょうか。
返信削除この曲,レゲエバージョンは古着屋さんではしつこいくらい良く掛かっていたので,知っていました(笑)。バレリーのバージョンもとても良いですね。
返信削除素敵な曲を紹介してくださり,今日もどうもありがとうございます。
この曲のオリジナルがThe Five Stairstepsと知ったのは、ヴァレリーのバージョンを聞いた後でした。カヴァーと思わなかったぐらい、ぴったりはまっていたのだと思います。気に入っていただいて幸いです。
返信削除2009年にドラッグ所持で逮捕されてますが、海外ミュージシャンにはまたそれが勲章ですよね。70年代の空気感が最高です。
返信削除habanajamさん、確か十数年間、ドラックに苦しめられていたんですよね。アルバム「THE WAY IT IS」で復活したときは嬉しかったな〜。
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