2010年1月7日木曜日

とまどい〜Fairground Attraction


Artist:フェアグラウンド・アトラクション
Album:The First of A Miliion Kisses
Song:The Moon Is Mine










バックミラー越しのKiss。車での逢い引き(死語?)でしょうか。アルバム名”The First of A Miliion Kisses:(2人がこれからする、百万回のキスのうちの、最初のキス)なんともセンスのあるジャケと表題はエリオット・アーウィットという写真家の作品だそうですが、その中身を聞いてみて、ジャケ写真と同様に素敵な音楽だったのを覚えてます。1980年代に突然、彗星の如くあらわれた、Fairground Attraction(移動式遊園地)という、これまたセンスのある名前をもったグループはスコットランドのグラスゴーからひょこりやってきました。素朴で、暖かい曲達は、1980年代としては少々、時代遅れだったかもしれませんが誰もが惹かれたのは、Vocal、エディ・リーダー(Eddie Reader)の圧倒的な歌唱力とその表現力でした。私にとって1980年代は聞きたい音楽があまりなかった「不毛の時代」だったので、すぐにお気に入りのバンドとなりました。代表曲である”Perfect”やこの”The Moon Is Mine”のリズムは、彼らの中に”スキッフル”というイギリス独特の音楽が継承されていたからではないかと思われます。”スキッフル”とはアメリカの”ジャグ”(南部の黒人たちがギター、ハーモニカを中心に洗濯たらいを利用したベース、洗濯板、ジャグ(大きな瓶の口を拭いて独特な音を出すこと)などを使って演奏した音楽)にフォークやブリティッシュ・トラッドの要素を混ぜ合わせ、ロックンロールやリズム・アンド・ブルースのリズムで演奏した音楽で、さらに彼等はそれを消化し、スイング・ジャズなどの要素を加わえ、オリジナルな音へ育てていきました。”Perfect”の大ヒットにより、ストリート・ミュージシャンから一躍、世界が注目するバンドとなった彼等ですが、それ故、商業主義へ走る周りの環境や、自分達の原点を忘れてしまうかもしれない人気に「とまどい」を覚え、わずか、1年半でその活動を終え、今や伝説のバンドとなってしまいました。もし彼等に、この「とまどい」が無かったら、商業主義の音楽業界で伝説のバンドとなり得たでしょうか?。数年前、エディ・リーダーはスコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズ(日本人ならだれで知っている”蛍の光”や”故郷の空”の作者)の作品集をだしました。ひょっとしたらスコットランドへの頑なまでの愛情とプライドが彼等にこの「とまどい」を感じさせたのかもしれません。

("The Moon Is Mine" by Fairground Attraction)




2 件のコメント:

  1. 青春の1曲!

    僕が高校生の時のアルバムです!

    これを聞かずして80年代最後は語れない!その後のエディーリーダーの失速ぶりにちょっとビックリしましたが、永遠の名盤です。

    今でもたまに英語の授業でかけます。

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  2. 思春期に感動したアルバムは、やはり一生残りますね。
    こんな曲を授業でならったら、もう少し英語が好きになったかも・・。
    生徒さん達が羨ましいです。

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