2010年1月18日月曜日

永遠の犬ジャケ~Bobby Charles


















Artist:ボビー・チャールズ
Album:Last Train To Memphis
Song:But I Do

ボビー・チャールズ死去のニュースが、朝からネットで駆け巡っています。享年71歳。また一人、大好きなSSWが旅立ってしまいました。櫛の歯が折れていくように、棚に並んだレコードがまた一枚二枚とその主を失っていきます。
レコードコレクターの間には昔から「犬ジャケに駄作なし」という格言があります。
思いつくままに挙げてみますとNeil Young/Everybody Knows This Is Nowhere,James Taylor/One Man Dog ,CSN&Y/Deja Vu , Van Morrison/Veedon Fleece , Nitty Gritty Dirt Band/Uncle Charie And His Dog Trddy , Phill Evely/Star Spangled Springer , Barry Mann/Survivor, Eric Clapton/There's One in Every Crowd(安息を求めて)ちょっとマイナーですがLeonard Schaeffer/A Boy And His Dog Paul Levinson/Twice Upon A Time, Stan Moeller/Thin Tiesなどなど、確かに、格言どおり、不思議ですが、犬ジャケには駄作がありません。そして犬ジャケの名盤といえば、まず最初に頭に浮かぶのがボビー・チャールズのアルバム<Bobby Charles>です。
このレコードについては”ウッド・ストック系ミュージック”について少し説明しなければなりません。ウッド・ストックといってもあの"ウッド・ストック・フェスティバル"のことではなく、ニューヨーク近郊の小さな町であったウッド・ストックのことです。ことの起こりはボブ・ディランのマネージャーだったアルバート・グロスマンの別荘がウッド・ストックあったことに始まりでます。1966年、バイク事故で隠遁を余儀なくされたディランはこの別荘の地下室でザ・バンドのメンバーと録音をはじめます。世に名高い”ベースメント・テープ”(地下室)の誕生です。その音楽を聞き、グロスマンはこの町から新しい時代の音楽を生み出すことを決意し1969年にベアズヴィル・レコードを設立します。そして、そこから数々の名盤を生み出すことになります。主なミュージシャンはザ・バンド、オーリアンズ、前に紹介しましたトッド・ラングレン、ハッピー&アーティー・トラウム、ジェシ・ウィンチェスターそしてボビー・チャールズなどです。アメリンカン・ルーツ・ミュージックに根ざした、その音楽はウッドストックの自然をそのままレコードと一緒にパックしてくれたような、大らかさと、安らぎを僕らに与えてくれました。ウッドストックに来る以前のボビー・チャールズは地元ルイジアナでファッツ・ドミノに”Walking to New Orleans”などを書いていてそれなりの経歴を積んでいたのですが、やはり大きな転機になったのはこのウッドストック移住後だったと思います。アルバム<Bobby Charles>にはザ・バンドのリヴォン・ヘルムやDr.ジョンがバックをつとめる名曲”Small Town Talk”や大好きなエイモス・ギャレットの渋いギターが聞ける”Tennessee Blues”など取り上げたい曲もあり、このアルバムを紹介しようかと考えたのですが、これは是非、一家に一枚常備していただきたく、あえて、75年以降の音源(レアなものも含めて)を集めた編集アルバム(ジャケも渋いです。)からボビー・チャールズの作品の中で一番好きなこの曲を紹介することにします。
ちょっとくぐもった、暖かいヴォーカルがもう聞けないと思うと残念でなりません。今晩はこの「永遠の犬ジャケ」レコードも聴きながら、冥福を祈りたいと思います。合掌。(追伸:浅川マキさんも亡くなられたそうです。時は無情に流れて行きます。)

4 件のコメント:

  1. 小粋なピアノに、ちょっと聞くとおとなしすぎるかと思うほどの自然な歌声。粋と、落ち着きと、優しさと、いろんなものが混ざって、良い感じです。大人だなあ。

    冥福をお祈りします。

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  2. この「犬ジャケ」アルバムの裏ジャケはボビー・チャールズさんがスイカ食べてるジャケなんですが、これがまた、人柄がにじみ出てていい雰囲気の写真なんです。

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  3. 「Bobby Charles」は持っているのに、「犬ジャケ」だったとは気づいていませんでした・・・。ジャケの色と雰囲気がボビーチャールズの独特な雰囲気と結びついていたものの、記憶とは曖昧なものだったんですね・・・。
    それにしても・・・・合掌・・・。

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  4. やはりCDではこのジャケの雰囲気は伝えられないですね。
    しかし、Tennessee Bluesでのエイモスさんのギターの音色は唯一無比
    いつ聴いてもうっとりさせます。お互いをよく理解してないとこんな音色は出せないと思います。
    迷った時は「犬ジャケ」これ結構確率高いんです。

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