Artist:トレイシー・ソーン
Album:A Distant Shore
Song:Night And Day(Bonus Track)
Artist:ベン・ワット
Album:North Marine Drive
Song:You're Gonna Make Me Lonesome When You Go
2010年1月5日の記事~ふたり~Simon & GarfunkelでEverything But The Girl(エヴリシング・バット・ザ・ガール)について、ちょっと紹介しましたが、この二人、実は結成する前に、それぞれソロ・アルバムをリリースしていました。その2枚のアルバムに共通していていたのは、静寂な夜に溶け込むような”ひとり感”でした。それは1980年代のイギリスの「ハードコア・パンク・ムーブメント」の中にあって、「叫び」や「喧噪」でカラカラになった喉を潤す一服の清涼剤だったと思います。共通した”ひとり感”をもっていた二人はまるで磁石に吸い付けられるように、出会い、そしてエヴリシング・バット・ザ・ガールを結成します。
トレイシー・ソーン Tracey Thorn
1962年9月26日生まれ。イギリスのロンドンに隣接するハートフォード州のハットフィールドで育ち、ハットフィールド・ガール・スクールに通っている時に同級生らとザ・スターン・ポップスという女の子ばかりのグループを結成し、歌い始めた。トレイシーと同級生のジーナとジェーンの3人にジェーンの妹アリスが加わり4人組になった時にバンド名をマリーン・ガールズと改める。
こうして活動を続けたマリーン・ガールズだが、途中ジーナが脱退し、トレイシーも大学に入学したために夏休みだけの活動となってしまった。その頃はまだ、インディーズ・レーベルだったチェリー・レッド・レコードと契約を交わすことになり、マリーン・ガールズに先駆けトレイシーのソロアルバムを作ることになった。アルバムのタイトルを「Nothing but the girl」(何やっても駄目な僕だけど、この娘だけは僕の側に居てくれるんだ という名前)にしようとしていたそうですが、これはちょっと出来すぎた話とも思えます。ともあれ、これが「遠い渚/A Dsitant Shore」という8曲入りミニアルバムとなって1982年に発表され、マリーン・ガールズとしては1983年「けだるい生活/Lazy Ways」を発表しました。
ベン・ワット Ben Watt
1962年12月6日生まれ。イギリス、ロンドン出身。ジャズ・ピアニストのトミー・ワットを父親に持ち、幼少の頃から音楽に親しんでいた。ハル・ユニヴァーシティに入学し、チェリーレッド・レーベルと契約して、シングル“Cant”及びミニアルバム“Summer into Winter”を1982年に、アルバム「ノース・マリン・ドライブ」を1983年に発表した。このアルバムは前出の「遠い渚」や「けだるい生活」と共に“New Sensivity”と呼ばれ、フォーク、ジャズ、ボサノバのエッセンスを取り込んだ新感覚のアコースティック・サウンドのポップスとして一部で人気を集め、インディーズ・チャートの上位をキープした。
とあります。
今回、取り上げた2曲はオリジナルではなくカヴァー曲。トレイシーの方は、コール・ポーターの有名なジャズのスタンダード・ナンバー。ベンの曲はボブ・ディラン作で原曲はかなりラフなフォークソングです。アルバム「遠い渚/A Dsitant Shore」のボーナストラックとして収録された”Night and Day”で初めて二人が一緒に演奏しそれをきっかけにエヴリシング・バット・ザ・ガールが結成されたそうですので、記念すべき一曲ということになります。(→2010年1月5日の記事~ふたり~Simon & Garfunkelも見てね)
どちらも、ボッサノヴァのリズムを基調にしたシンプルなつくりですが、ギターのバックのみで歌われるからこそ、ピーンは張り詰めたような、寂寥感ー”ひとり感”が胸をうつのかもしれません。
Ben Watt-"You're Gonna Make Me Lonesome When You Go"
この曲は大学生の頃の想い出の1曲です。トレイシーのnight and dayを毎日聴いて、日々の苦しさを紛らわせていました。当時は12インチで持っていたので、これをすり切れるくらい何度も聴いたのを憶えています。コールポーターの曲なんだ、と知ったのは実は随分後でして、トレイシーとベンのオリジナルとばかり思ってしまうくらい秀逸なアレンジですよね!
返信削除その後、色々な方向に行きますが、EBTGは今でも大好きなグループです。
今日も素敵な音楽を有り難うございます。いつも読んでいるのですが、全てにお返事をお返しできなくてスミマセン(>、<)
”Night And Day”はオリジナルの「遠い渚/A Dsitant Shore」(8曲入り)には入っていなかかったので、だぶんお聞きになった12インチが実質的にはEBTGのファースト・シングルだったようですね。しかしタイトルを「Nothing but the girl」にしようとしたというのは、ちょっと出来すぎた話ですね。あまりにもオシャレ過ぎます。いずれにせよ、その後のEBTGの雰囲気がすでに出ていますよね。気が向いたときでかまいません、またコメントいただけたら幸いです。
返信削除つぶやくようなギターとキャンディのような声。遊ぶように転げて小気味よく、心地良いですね。
返信削除あはは、初心者とわかるコメントですね。
いつもはクラッシックを聞くことが多いのですが、新しい扉がギシッと開いた感じです。
`.☆;estrelas`☆'
`.☆;estrelas`☆'さん
返信削除コメントありがとうございます。”キャンディのような声”はいいですね。色々な音楽のフィールドの方の視点から、眺めていただけるのも、なんといいますか、プログ冥利につきます。今後とも宜しくお願いいたします。
このYOUTUBEのNIGHT&DAYの音源を聴いてびっくりしました。この飛行機の離発着のような「キーン」という音が入っているバージョンは始めて耳にします。私の持っている紙ジャケCDを聴きなおしましたが、この音はやはり入っていませんでした。ETBGのシングルバージョンかなにかでしょうか?
返信削除これ、たぶん、投稿したとき、サーフィンの画像の波の音がそのまま残ったままになっていたんじゃないかと思いますがいかがでしょう。それかYou-tubeの投稿規定に違反しないようにわざと雑音いれたとか。
返信削除これがもし、ちゃんとした、バージョンとして存在するのだったら、ちょっとその意図を測りかねます。
フム、再度聴きなおして判りました。1分35秒から数秒間飛行機の音が聞こえます。これはサーフィンの模様を上空の飛行機から撮影している際に拾った音と思われます。ということはヘリでなくセスナからの撮影?でも個人的にはこのバージョン?(笑)もすごく好きです。こういう「曲解」も音楽を聴く楽しみですね。
返信削除謎がひとつ解けました。(笑)しかし、偶然に行った音や、ノイズまでも音楽の一部としてとらえる感性はさすがですね。
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