2010年8月30日月曜日

魔法の料理~バンプ・オブ・チキン

















Artist:Bump Of Chicken
Album:魔法の料理(シングル)
Song:魔法の料理

幼い時の記憶。叱られた後に食べる晩御飯。何処にもって行きようのない怒りと悲しみ。涙と一緒に食べる、ご飯の味。黙々と口に運ぶ。しょっぱくて、味なんかしない。何もなかったようにみんな会話を始める。おかずのいい香りといつもの手料理の味がやっとわかってきて、そして少しずつ、ほぐれていく堅くなった心。それはまさに魔法がふりかけられた料理のようでした。そんな想い出を鮮やかに蘇らせてくれた素敵な曲に最近出会いました。
バンプ・オブ・チキン(訳すると”弱虫の一撃”いいネーミングですね。)の「魔法の料理」という曲はこんな書き出しで始まります。

魔法の料理~君から君へ~

作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

叱られた後にある 晩御飯の不思議
あれは魔法だろうか 目の前が滲む

正義のロボットの剣で 引っ掻いたピアノ
見事に傷だらけ こんな筈じゃなかった

大きくなるんだ 伝えたいから
上手に話して 知って欲しいから
何て言えばいい 何もわからない

君の願いはちゃんと叶うよ 楽しみにしておくといい
これから出会う宝物は 宝物のままで古びていく

(何か理由はあったんです。ピアノに傷をつけたこと。でもうまく説明できない。そんなもどかしさ。でも大丈夫、大きくなったらちゃんと説明できるかもしれない。
そんな体験ありましたよね。大人になった自分からの、子供の頃の自分へのメッセージです。)

確か赤だった筈だ 三輪車 どこまでだって行けた
ひげぢいがくれた熊は よく見たら犬だった

プラスチックのナントカ剣で 傷付けたピアノ
模様のつもりだった 好きになろうとした

大きくなるんだ 仲間が欲しい
わかり合うために 本気を出せる様な
基地が出来るまで 帰らない様な

期待以上のものに出会うよ でも覚悟しておくといい
言えないから連れてきた思いは 育たないままで しまってある
更に 増えてもいく

(そう三輪車を手に入れたとき、凄く遠いところまで行けるような気がしてました。しかし地図というものに出会って、あまり遠くまでは行けないことを知ってしまう。僕らだけが知っている秘密の基地では、何でも話せる仲間がいました。でも
そんな基地もいつかは、見捨てられてしまいます。そんな誰にでもは説明できない思いもずっと大人になるまで大事にしまっておこうね)

怖かったパパが 本当は優しかった事
面白いママが 実は泣く時もある事

おばあちゃんが 君の顔を忘れたりする事
ひげぢい あれは犬だって 伝え様がない事

いつか全部わかる ずっと先の事
疑いたいのもわかる 君だからわかる
メソメソすんなって

(成長するにしたがって、家族のことが見えてくる、大人だって完璧じゃないんだ
それがわかって、少し優しくなれる。でもそれはずっと先のこと。今は信じれないと思うけど)

君の願いはちゃんと叶うよ 怖くても よく見て欲しい
これから失くす宝物が くれたものが今 宝物
君の願いはちゃんと叶うよ 大人になった君が言う
言えないから連れてきた思いは 育てないままで 唄にする

叱られた後にある 晩御飯の不思議
その謎は 僕より大きい 君が解くのかな
こんな風に 君に説くのかな

(大人になった僕が、子供の時の僕に言えることは、逃げないでちゃん見ること、うまく説明できないことも決して切り捨てたりしないで、大人になるまで、連れていってみること、もっと時間が経ってさらに年をとった僕は、「叱られた後にある 晩御飯の不思議」をどんな風に解き明かしてくれるだろう。現在の僕のように言うだろうか)

括弧で必要のないコメントを付けてしまいましたが、すごくいい詞ですね。
バンプ・オブ・チキンのほとんどの詞と曲を書いているヴォーカルの藤原基央(ふじわらもとお)さん。すごい才能を感じます。スピッツの草野マサムネさんの詞に接した時以来の衝撃です、このふたり、透明感のあるヴォーカル以外にも何か共通するものがあります。日本の音楽も捨てたもんじゃないです。

(別のウィンドウからyou-tubeへ飛んで歌詞をじっくり味わって下さい)

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