2011年6月21日火曜日

せつなくて、そして哀しい雨の唄~槇原敬之

Artist槇原敬之
Song:THE END OF THE WORLD
Album:UNDERWEAR

さてさて、この長雨いつまで続くのでしょうか。九州地方は一週間以上「お天道様」を拝める日がありませんでした。皆様、くれぐれも水害、土石流、崖崩れなどにご注意下さい。
ここまで、雨に降られると、当然、「雨の歌」なんぞを物色することになります。生まれた初めて聞いた「雨の歌」なんだったかな。「ハジレコ」(初めて聞いたレコード)ならぬ”雨”の「ハジうた」ですね。やっぱり童謡かな。

「雨 雨 ふれふれ かあさんが
蛇の目でおむかえ うれしいな
ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ
らんらんらん」

この歌かな。

タイトルは「アメフリ」。大正時代に作られた歌だそうです。作詞は柳川が生んだ日本を代表する詩人「北原白秋」。作曲は童謡の大御所「中山晋平」
実はこの歌5番までありました。こんな歌詞なんです。

かけましょ かばんを かあさんの
あとから ゆこゆこ かねがなる
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
あらあら あのこは ずぶぬれだ
やなぎの ねかたで ないている
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
かあさん ぼくのを かしましょか
きみきみ このかさ さしたまえ
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
ぼくなら いいんだ かあさんの
おおきな じゃのめに はいってく
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン

この子、その当時としては、裕福な家の子供だったんですね。
後半の歌詞の「上から目線」が妙に気になります。「~したまえ」という今では政治家でさえ使わない言い回しですが、大正時代には子供もこういう言い回しをしていたんですね。しかし、今の時代にはそぐわない歌詞になってしまいました。童謡も時代と共に変化していくものなんですね、難しいものです。

そんなわけで、その後、洋楽の世界を知り、色々な「雨の歌」と出会いました。
「悲しき雨音」カスケーズ(1963年)
「雨に消えた初恋」カウシルズ(1967年)
「雨にぬれても」B.J.トーマス(1970年)
「雨にぬれた朝」キャット・ステーヴンス(1971年)
「雨を見たかい」CCR(1971年)
そうそう、前々回のブログで紹介した
「雨に微笑を」ニール・セダカ
これもプログで取りあげましたロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズの「雨の日と月曜日は」その他、映画では「雨に歌えば」,スタンダードナンバーだと「降っても晴れても」(Come rain or come shine)、「九月の雨」(September in the rain)、「Here's that rainy day」(”失恋した日には雨が降る”って歌ですね。)やボサノヴァでは「Gentle Rain」(アストラット・ジルベルト)これに邦楽を入れると、沢山ありますね「雨の歌」。

そんな中で、この数年ずっと心を捕らえられているある曲というか、ある歌詞があるんです。槇原敬之の”THE END OF THE WORLD”。ちょっと歌詞に耳を傾けてみて下さい。
(→歌詞はコチラを)

(”THE END OF THE WORLD”by槇原敬之)

なんともせつない「雨の歌」。これにはやられました。
テーマは”禁断の恋”。
色々な状況設定が考えられますが、これはずばり”不倫の歌”ですね。
特に印象的だったのがこの部分

「あと一回引けば消えるスタンド、
お互いをもっと見つめるのにちょうどいい、
明るさも手に入れられない」

ここの歌詞を聴く度に胸がキュンと締め付けられるんです。このフレーズはなかなか書けるもんじゃありません。

この二人のせつなさ、それゆえの美しさ、許されぬ二人
をまるで短編映画をみるように、ここまで描けるとは。
ある意味、槇原敬之の最高傑作(歌詞の上で)ではないかと、思います。
雨音でも聞きながら、たまにはしんみりと・・・。

追伸:ちょっと個人的な告知をさせて下さい。長崎県の島原半島にお住みの方へ。
我がバンド”浪夢”の「雨の歌」ー”思い出通り”を肴に、おいしい日本酒なんていかがでしょう。
島原 酒蔵ほろ酔いコンサート
2011年6月25日(土) · 18:00 - 21:00
場所 :南島原市有家町 清酒「萬勝」吉田屋酒造 酒蔵
出演、SINOGU、浪夢、ヤスムロコウイチ(このブログでも紹介)


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