2010年6月10日木曜日

ニューヨークのピアノ・マン~Frank Weber
















Artist:フランク・ウェーバー
Album:Before You
Song:Between Hellos

「ニューヨークのピアノ・マン」といえば、まず思い浮かぶのはビリー・ジョエルですね。かの松井選手もヤンキース時代には大ファンだったようで、ニューヨークで生活していたら、その街の風景にはぴったりの音楽だったんでしょうね。
フランク・ウェーバーもニューヨーク出身のSSW。6才からピアノを学び始め、15才でジャズ・ピアノに出会い作曲を始める。その後、車の中で聞いたジェイムス・テイラーの”Fire and Rain"に衝撃を受け、シンガーソング・ライターに開眼する。コマーシャル・ソングなどの仕事のかたわら、書きためた曲に敏腕マネジャー、エド・ニューマークが注目。その後本格的デビューとなる。時は1978年。当時はAOR華やかなりし頃。1stアルバム「As The Time Flies」はピアノ・マンらしいメロディアスな楽曲のそろった好盤でマントラもカヴァーした”Straighten Up And Fly Right"を粋にスイング。ジャズ・ピアノの素養を充分に発揮したナンバーでした。
さらに1980年には2ndアルバム「Frank Weber」をリリース。日本盤のタイトルは「ニューヨークのストレンジャー」。やはりビリー・ジョエルを意識したネーミングでした。その中の”Only For Tonight"や"Take It To The Limit"が当時、お気に入りでよく聞いていました。特に"Take It To The Limit"は題名のとおり、イーグルスの例の曲にインスパイアされたようで、エンディングではそのメロディーがちょっとでてきて、とても凝った作りになっておりました。
その後、この頃の他のSSW達と同じように、プツッと消息を絶ってしまいました。やはり米国ではコンスタントにアルバムをリリースしていくにはビジネスとして、採算がとれるものしか、作れないという厳しい現実があるようで、音楽の傍ら、心理学を学び、サイコセラピストとして2足のワラジを履いていたようです。

そして約30年の歳月が過ぎ人間としても色々な経験をつみ、「Before You」というタイトルのアルバムをリリースしました。往年の派手さはないものの、奇をてらわず、落ち着いた、楽曲が並んでいます。特に”Between Hellos"はジャズの香りただよう、大人のバラードで、最近お酒のお伴にしております。なんともセンスのあるギターはジョン・トロペイ(John Tropea)。ニューヨークのセッション・ミュージシャンではトップクラスのギタリストで、ローラ・ニーロのライブ・アルバム「光の季節」での彼のギターは絶品です。とにかくR&Bからソウル、ブルース、果てはジャズまでなんでもこなせるギタリストで、彼のソロアルバム「To Touch You Again」も大好きな一枚です。
AOR全盛時代のニューヨークの音楽の香り漂う「ピアノ・マン」のノクターン(夜想曲)。今夜も一杯やりますか・・・。

(残念ながらこの曲はyou tubeにはないようです。)

(2ndアルバム「ニューヨークのストレンジャー」から"Take ItTo The Limit")

((渋いギターを披露してくれたジョン・トロペイのソロアルバム「To Touch You Again」からこれも大好きな”You're My Every Need”)

3 件のコメント:

  1. のっぽのサリー2011年8月5日 11:34

    はじめまして。
    先日のNKH-FMのAOR三昧に、大好きなフランク・ウェーバーの「Only For Tonight」をリクエストしましたら、
    なんと、30年ぶりにアルバムを出したとの事、新曲が披露されて、本当に驚きでした!
    なにしろ、声も雰囲気もほとんど変わっていなくて、感動してしまい、すぐにCDを購入しました。
    期待を裏切らない素晴らしいアルバムですね!!
    たくさんの人に聴いて貰いたくて、FMとかにリクエストしているのですが、中々かからなくて・・・・
    「Everything We Used to Be」が大好きなんです。
    学生時代、アルバムを貸してくれた友人にも、是非、聴いて貰おうと思っています。
    スペシャル・サンクスが村上春樹って、さらにびっくりしました。
    日本を愛してくれてるんだなあって、感激ですね。

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  2. のっぽのサリーさん、コメントありがとうございます。「Only For Tonight」もいい曲でしたね。30年ぶりですからね、私も、正直どうなんだろうって思って聞きましたらこれが、すごくよかったんですよ。「スペシャル・サンクスが村上春樹」は気づきませんでした。こちらもファンなんで(「オマージュ」:http://izakibb5.blogspot.com/2010/07/bruce-terry.html)うれしいです。このブログもあまりスポットの当たることのなかった音楽を紹介しようと思って始めたようなものです。今後も、よかったら、時々覗いてやって下さい。

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  3. のっぽのサリー2011年8月26日 22:03

    すぐにお返事書いてくれてたんですね!
    久しぶりにネットに接続したので、気がつきませんでした。
    ここのところ、毎晩、フランク・ウエーバーを聴きながら、眠りについています。
    ほかのところも見てみますね。

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