Artist:キングス・オブ・コンビニエンス
Album:Declaration Of Dependence
Song:24-25
降り注ぐアルペジオのギターの音、合間から聞こえてくる、澄んだハーモニー「Kings of Convenience」と題された、二人の似顔の書かれた白いシンプルなジャケのCD。その中の1曲、”Winning A Battle, Losing The War”を初めて聞いた時の驚き。まるで現代に蘇ったS&G。その音はどこまでも、透明で、回りの空気さえも塗り替えてしまうほどの色彩感でした。
Kings Of Convenience
ノルウェーの第二の都市ベルゲンで1999年の世紀末に、結成されたアコースティック・ポップデュオ。アイリック・ボー(Eirik Boe)、アーランド・オイエ(Erlend Oye)と日本語にすると発音しにくい名前の二人は、少年時代から友達同士。 出会ったのは11歳の頃。16歳の頃にバンド「スコッグ」を結成(THE CUREの影響を受けたサウンド だったらしい)するが、消滅。その後ふたりはイギリスに移り生活を始める。 ロンドンで学び、バンドとして活動をするうちに、ふたりはデュオとして 本格的な音楽活動をスタートする。 ロンドン、マンチェスター、そして地元ベルゲンでの音楽的交流を経て 1999年に本国ノルウェーにてデビュ-作となる7インチシングル「BRAVE NEW WORLD」を 地元ベルゲンのレーベル:ELLET からリリース。2000年に入ると US のインディレーベル:KINDERCORE から初のアルバム「KINGS OF CONVENIENCE」をリリースした。 とあります。
この白い似顔絵ジャケのCDの後、ついにメジャー・デビューをはたし、現在までに
Quiet Is the New Loud - (2001)
Versus - (2001)※リミックス・アルバム
Riot on an Empty Street - (2004)
3枚のアルバムを発表しました。
その後、しばらく音沙汰がなかったのですが、昨年、アルバム「Declaration of Dependence 」(2009)を久しぶりにリリースしました。時は流れても彼らの音楽は2000年のインディーズ時代と少しも変わりません。そこがとてもウレシイところでもあります。初期の曲とこの最新アルバムの曲を聞き比べてみて下さい。
二人の、音楽にはいくつかの特徴があります。まず2台のギターのアンサンブル。ハイコードの奏でる、アルペジオは開放弦の響きを損なわないように構成され、すでに、イントロからある色彩で染めあげられています。さらにそれに絡むようにロー・コードのガットギターの音が間を埋め、まるで一台の楽器から奏でられているような錯覚をおこさせます。もう一つは、歌の隙間です。コーラスの間の空間に漂う、ギターの心地よい余韻は、まるで、ノルウェイの森や湖の風景や張りつめた冷気をそのまま、運んできてくれるようです。
まさにノルウェイの風土に根ざした音楽ー「北国の静寂」が生み出した音楽。そんな気がします。
(最新アルバムより”24-25”)
(初期の曲”Winning a battle, losing the war”)
そうです・・・そうです!コレでいいのです!!
返信削除浪夢の目指していた真髄がここにあり!という感じですか
忘れていた基本形がここに有るのかも?
演者の気持ちが伝わってきますな・・・。
やはりそうですか。実をいうと忘れかけていた何かが、この曲にはあるような気がしていました。いやいや、ずっと浪夢の傍らにいた人ならではのご意見、ありがたく頂戴いたします。
返信削除大好きな浪夢サウンドの原点ですね。
返信削除すごく分かります。
冷気を感じる音。
でも、この時期、菜の花をボ~とながめながら、
聴いてみたい音のようにも感じました。
nakahiさん
返信削除ありがとうございます。歌詞の間の余韻が心地いいですね。
西鉄電車からの車窓風景、筑後川の土手は一面の菜の花。
春はもうそこまでやって来ています。
確かにこの曲、聞きながら眺めるのもいいでしょうね。