夏の終わりのせつないメロディーと言えばやっぱりコレですね。これも1971年の映画「思い出の夏」(SUMMER OF '42)のサントラ。巨匠ミッシェル・ルグランの代表作でもあります。このラッシュでおわかりのように年上の女性と過ごした、15才の少年のひと夏の体験・・。といったこれもかなり胸キュンものの内容になっておるようです。この映画が好評だったのか「続・おもいでの夏」まで作られたとありますが、続編まで見ている方はかなりの映画通とお見受けします。見たことのある方は御一報を。
こんな素敵な歌詞を持つ”Looking For An Echo"は歌詞にあるように天に届きそうなファルセットで始まるドゥ・ワップの名曲です。
そして、映画「奇跡の歌」(Looking For An Echo)はそんなオープニングから始まります・・・。ブルックリン・ブリッジのたもと。アカペラで歌う少年達のシルエット、そしてフィンガー・スナップのリズムに合わせて聞こえてくる美しいファルセット。60年代、美しいアカペラの歌声でアメリカを席巻した伝説のドゥ・ワップ・グループ“ヴィニー&ザ・ドリーマーズ”のリード・ヴォーカル、ヴィンスもいまや50歳。一度はバンドマンとして全米トップ1の頂点に立ちながらも、ある苦い過去と共にその美しい歌声を封印してしまった。一度人生を降りてしまった不器用なミュージシャンが、同じ道を目指す息子や昔の仲間達、彼を暖かく見守る恋人や家族に支えられ再生していく感動的なストーリーです。その主人公を後押しするように全編に流れるのがこの”Looking For An Echo"でした。
劇中に流れるドゥ・ワップの名曲の数々、その吹き替えを担当したのがKenny Vance&The Planotonesでした。そして美しいファルセットで始まる”Looking For An Echo"のオリジナル・ヴォーカリストでもありました。
ケニーも1959年に友人達と「ハバーライツ」というグループを結成。そのデモ・テープを聞いた、名ソングライターコンビ、ジェリー・リーバー&マイク・ストラー(Jerry Leiber and Mike Stoller)の目にとまりレコードデビューすることとなります。その後グループは「ジェイ&アメリカンズ」と改名。”She Cried (シー・クライド) ”(62年5位)、”Come A Little Bit Closer (カム・ア・リトル・ビット・クローサー)”(64年3位),"Cara, Mia (カラ・ミア)"(65年4位),"This Magic Moment (ディス・マジック・モーメント)"(69年6位)などのヒット曲を放っています。またビートルズやローリング・ストーンズのオープニング・アクトをつとめるなどかなり人気があったようです。しかし、時代の流れには逆らえず1970年のラスト・アルバム「キャプチャー・ザ・モーメント」を最後に解散します。