2011年2月15日火曜日

酒場放浪記〜Amos Milburn

Artist:エイモス・ミルバーン
Album:Amos Milbuen:Thinking & Drinking
Song :Bad Bad Wihskey


寒い日が続きます。皆様、お仕事お疲れ様です。今日も一日色々あったなと思いつつ、帰りにちょっと一杯やっていくかってのもいいですね。残念ながら仕事場が自宅で、酒場に行くのもかなり距離がある田舎なもので、食後の一杯でガマンです。
そんな時に、いい感じの酒場に訪れた気分にさせてくれるのが、BSーTBSで毎週月曜日に放送されております「吉田類の酒場放浪記」です。
すでに、ハマッてしまっている方(?)にはあえて説明は不要ですが、まだ見たことがないという方に、ちと紹介を。

ハンチング帽がトレードマークのちょっとダンディーな、吉田類さんが、最寄りの駅を出て、そこの街の紹介と気になる酒場の情報を話したあと、夕方の商店街を散策しながら、目的の酒場へ、というイントロから始まります。
すでにここで常連(?)は、期待とともに「さあ飲むぞモード」にスイッチが入ります。誰でもそうだと思いますが、ひとりで始めての酒場に入るのは、ちょっと緊張するもの。どんな常連さんがいて、どんな雰囲気なのか、その微妙な緊張感がこの番組にはあるんです。たぶん吉田さんというちょっとシャイな普通人のキャラクターそうさせるのでしょうが、この”微妙な間”が画面から伝わってきます。
まず店主と一言、二言言葉を交わし、ではということで、お酒を注文。(この最初のお酒もその店の雰囲気で変わります。)その最初の一杯をほんとうに美味しそうに飲むんです。思わずこちらもご相伴にあずかりたくなります。そして、そのお酒に合う、アテを注文。これもその酒場のオススメに合わせて・・うまそう。
なるほど店の雰囲気が徐々に伝わってきます。2杯目からは、日本酒など、本格モードへ、それに合わせアテもその店独特の目玉料理が登場してきます。その間、店主のひととなりなどをナレーションで紹介しつつ、酒もすすみほろ酔いモードになると、隣のお客さんの席へ。常連さんとの会話も弾み、「ここはこれがうまいですよ」との情報を聞けることも。最後はその店にすっかり溶け込んでしまうのは、酒場という独特の空間のなせる技なのかもしれません。
「いかがでした。」と店を出て一言。「このまま帰るの何なので、もう1軒寄って行きます。」と言って、後ろ手のまま、路地の中に消えていく。その後ろ姿を追いながら、俳人でもある吉田さんの一句が添えられるという、ちょっと哀愁もあるエンディングで終わります。1軒の酒場に約10分。毎回4軒の酒場を放浪するという趣向です。どうです。ちょっとハマリそうでしょう?

この番組のテーマ曲が、エイモス・ミルバーンの”Bad Bad Wihskey”という曲。どなたが選曲されたのか、わかりませんが、かなりセンスのある方とお見受けします。”俺の人生、酒のせいで、家族もなにも台無にしてしまった。”という内容の歌詞ですが、暗い感じがないんですよね。「別によ。俺は悪くねぇんだよ。この酒がいけねぇんだ。この酒がよぅ。」って、開き直ったような、この屈託のなさがいいんですね。

エイモス・ミルバーンはロックン・ロール産声をあげる前の戦前・戦後に活躍したピアニストで、ジャズの影響を受けて、ブルースがスイングなどリズムのシンコペーションをさらに発展して出来たJump Bluesを代表するシンガーです。
この人の真骨頂は、燃えるようなブギウギ・ピアノにあるのですが、スロー・ブルースやカントリー・ブルースなど幅広いジャンルをやっています。第二次世界大戦での軍歴に対して、勲章もらっているというブルーズ・マンと思えない経歴の持ち主でもあるので、おそらく実際は酔いどれ人生とは無縁の人だったのかもしれません。”Bad Bad Wihskey”の他に”Thinking & Drinking"や"Let Me Go Home Whiskey","One Scotch,One Bourbun,One Beer"などお酒に纏わる歌が多く、どの曲にもどこか懐かしい響きがあります。昔のブルースもいいですね。

「酒場放浪記」毎週楽しみにしているんですが、気になることがひとつ。美味しい酒と料理に囲まれながら、段々メートルが上がっていく吉田さんがうらやましくもあるんですが、仕事とはいえちょっと肝臓の方が心配になったりします。吉田さんくれぐれも、体だけには気をつけて下さいね。体調不良のため番組打ち切りとかになったら、全国の酒飲み達が寂しい思いをしますので・・・・。

(”Bad Bad Wihskey” by Amos Milburn、ほとんどピアノの方は見てません。)

("One Scotch,One Bourbun,One Beer" by Amos Milburnこれも番組の中で時々流れます。)

(「酒場放浪記」 吉祥寺”いせや”編、この店、確か高田渡さんの行きつけのみせだったような。昼間のロケで、あまりに有名な店なのでしっとりした番組特有の雰囲気がちょっとないのが残念です。)


2 件のコメント:

  1. のっぽのサリー2011年10月21日 21:13

    こんばんは(^^)
    我が家でも「酒場放浪紀」は人気番組ですよ。(*^^*)
    けだるい月曜日には嬉しい番組ですよね。
    エンディングはこのかたが歌ってたんですね!
    もうひとつの曲も素敵。お酒にまつわる曲は良い曲が多いのかなぁ。私もすっかりお酒は弱くなりましたが、歳をとったら量より質で、楽しく気持ちの良いお酒の飲み方をしたいですよね。
    良い音楽を聴きながら、良いお酒を飲む、こんな幸せな時間はないですよね。
    類さんも飲みすぎには気をつけて欲しいですね~(^^;

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  2. のっぽのサリーさん
    コメントありがとうございます。やはり「音楽」と「酒」は切っても切れない関係ですね。フラ〜っと知らない「酒場」で一杯なんて、ちょっと勇気がいります。この番組でそんな気分を味わわせてもってます。お酒に纏わる曲も多いですね。その内書いてみます。

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