Artist:ハース・マルティネスAlbum:Hirth From EarthSong:Altogether Alone
「よくよく見れば、ヘンテコなジャケ」っていうレコードがあります。
ハース・マルティネスのファースト・アルバム「ハース・フロム・アース」はそんな1枚です。海の波の泡の中から、忽然とあらわれる、海藻まみれの男。最初、海で遭難した男が命からがら、岸に流れ着いたところなのかなと思ったほどでした。
タイトルが「Hirth From Earth」(地球からやってきたハース?)なので、意図はわかりますが・・・。
裏ジャケに至っては、もっとショボい・・・凍えそうなサングラス姿の海藻男。
ブラック・ジョーク的な発想なんでしょうが、もうちょっと、どうにかならなかったのしょうかね。
まあ、このジャケについては、一言ありますが、アルバムの内容の素晴らしさは保証いたします。とにかく、1曲目の”Altogether Alone”の素晴らしさときたら、完全にノック・アウトされます。
ちょっとJazzyな鼻歌を歌うような、スモーキー・ヴォイス。ボッサなほんわかしたメロディ。バックに波の音さえ聞こえてきそうな・・・・。いい曲です。
この1曲のために、アルバムをもっていても決して損はないと確信しております。
(もちろん、他の曲もいいんですよ。)
プロデュースはザ・バンドのギタリスト、ロビー・ロバートソン。
あまりカントリー寄りにならず、小粋なJazz風味のスパイスが絶妙です。
まさに大人の音楽ですね、参加ミュージシャンも渋いですぞ~、ザ・バンドからはガース・ハドソン(ピアノ)、ニール・ヤング周辺から、ベン・キース(ベダル・スティール)、ジェームス・テイラー周辺からラス・カンケル(ドラム)、ローラ・ニーロのアルバムでも渋いプレイをしてたチャック・レイニー(ベース)。よく考えると馴染みのミュージシャンばかり。
そんなこんなで、 ”Altogether Alone”を聞いた後では、「海藻男の鼻歌が海からの贈り物」に思えてくるし、ヘンテコ・ジャケからも結構なインパクトが感じられるようになるから、不思議です。
ハース・マルティネスさんは、その後も日本の良心的なレーベル、ドリームズ・ヴィルから良質なアルバムをリリースしております。機会があったらこの辺も聞いてみて下さい。
(”Altogether Alone” by Hirth Martinez)
(”Altogether Alone”、大好きなグループBE THE VOICEもカバーしてました。
このヴァージョンもいいですよ。)
後ろのパペットが良いですね。
返信削除S hermyさん
返信削除あ、気づかれました。歌とシンクロしてますよね。ちょっとしたこだわりですが、いいセンスしてます。