Artist:ザ・バーズ
Album:Ballad Of Easy Rider
Song:Ballad Of Easy Rider
俳優デニス・ホッパーが去る5月29日、前立腺ガンの合併症のため亡くなった。
我々の時代には、映画「イージー・ライダー」でのビリー役が忘れられません。
アンモニア臭にする場末の映画館。大学生のころ、オールナイトの「アメリカンニューシネマ特集」だったと思いますが、そこでみたこの映画の衝撃は今でも鮮明に焼き付いています。アメリカ国旗をデザインしたハーレー・ダビットソンは1970年代の「若者達の自由」の象徴でもありました。しかし、自由の国であるはずのアメリカにもすでに闇がせまっていて、アメリカの社会の現実は二人の若者の自由をあっけなく奪ってしまう。ラストシーンでカメラがズーム・アウトしていき南部の広大な河川が映し出されるのですが、その時に流れていた曲がこの曲でした。何ともやるせない心に、たゆとう大河の流れのようにそのメロディはすべてを受け入れてくれるよう気がしました。
この曲を聞くたびに、大河の静かな流れとどもまでも続く広大な森と、そして自由をイメージしてしまいます。私の中では今でもザ・バーズの最高傑作の曲です。
オリジナルのサントラのつもりで買ったLPでしたが、聞いてみたらザ・バーズ名義のアルバム「Ballad Of Easy Rider」(邦題:イージー・ライダーのバラード)でサントラとは別ヴァージョンだと知り最初はがっかりしたものですが、その後このLPヴァージョンの方か好きになってきました。(何でも日本オンリーのジャッケットだったそうで、今ではレアなレコードなっているようです。)
ちなみに、この映画にはあのフィル・スペクターもちょい役で出演してましたね。
デニス・ホッパーは生前、「イージー・ライダー」を撮影したニューメキシコのタオスという町に埋葬してほしいと家族に遺言を残していたようで、彼の意志を尊重し家族はタオスに埋葬することを決意したそうです。タオスに住む人々によると、デニスはちょうど2、3か月前に子どもたちと共にこの街を訪れていたとのこと。デニスと交流があったという住民によると「デニスは、ロングコートと帽子をかぶりまるで英国の紳士のようだった。しかし、服の上から見てもとても痩せてしまったことが見てとれた」と語り、「この訪問が彼にとってこの街を訪れる最後の機会になるだろうとまわりで見ていた誰もが感じて、その姿を目に焼き付けようと静かに見守っていた」と語っています。
一生の内で一番大事な思い出の場所だったのかもしれません。
(こちらがサントラではないLPヴァージョン)
(こちらがサントラ・ヴァージョンやっぱりLPヴァージョンの方がいいかな)
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