2010年2月2日火曜日

ひとり感~Tracey Thorn,Ben Watt


Artist:トレイシー・ソーン
Album:A Distant Shore
Song:Night And Day(Bonus Track)










Artist:ベン・ワット
Album:North Marine Drive
Song:You're Gonna Make Me Lonesome When You Go








2010年1月5日の記事~ふたり~Simon & GarfunkelでEverything But The Girl(エヴリシング・バット・ザ・ガール)について、ちょっと紹介しましたが、この二人、実は結成する前に、それぞれソロ・アルバムをリリースしていました。その2枚のアルバムに共通していていたのは、静寂な夜に溶け込むような”ひとり感”でした。それは1980年代のイギリスの「ハードコア・パンク・ムーブメント」の中にあって、「叫び」や「喧噪」でカラカラになった喉を潤す一服の清涼剤だったと思います。共通した”ひとり感”をもっていた二人はまるで磁石に吸い付けられるように、出会い、そしてエヴリシング・バット・ザ・ガールを結成します。
  
トレイシー・ソーン Tracey Thorn
   1962年9月26日生まれ。イギリスのロンドンに隣接するハートフォード州のハットフィールドで育ち、ハットフィールド・ガール・スクールに通っている時に同級生らとザ・スターン・ポップスという女の子ばかりのグループを結成し、歌い始めた。トレイシーと同級生のジーナとジェーンの3人にジェーンの妹アリスが加わり4人組になった時にバンド名をマリーン・ガールズと改める。
  こうして活動を続けたマリーン・ガールズだが、途中ジーナが脱退し、トレイシーも大学に入学したために夏休みだけの活動となってしまった。その頃はまだ、インディーズ・レーベルだったチェリー・レッド・レコードと契約を交わすことになり、マリーン・ガールズに先駆けトレイシーのソロアルバムを作ることになった。アルバムのタイトルを「Nothing but the girl」(何やっても駄目な僕だけど、この娘だけは僕の側に居てくれるんだ という名前)にしようとしていたそうですが、これはちょっと出来すぎた話とも思えます。ともあれ、これが「遠い渚/A Dsitant Shore」という8曲入りミニアルバムとなって1982年に発表され、マリーン・ガールズとしては1983年「けだるい生活/Lazy Ways」を発表しました。

ベン・ワット Ben Watt
 1962年12月6日生まれ。イギリス、ロンドン出身。ジャズ・ピアニストのトミー・ワットを父親に持ち、幼少の頃から音楽に親しんでいた。ハル・ユニヴァーシティに入学し、チェリーレッド・レーベルと契約して、シングル“Cant”及びミニアルバム“Summer into Winter”を1982年に、アルバム「ノース・マリン・ドライブ」を1983年に発表した。このアルバムは前出の「遠い渚」や「けだるい生活」と共に“New Sensivity”と呼ばれ、フォーク、ジャズ、ボサノバのエッセンスを取り込んだ新感覚のアコースティック・サウンドのポップスとして一部で人気を集め、インディーズ・チャートの上位をキープした。
とあります。

 今回、取り上げた2曲はオリジナルではなくカヴァー曲。トレイシーの方は、コール・ポーターの有名なジャズのスタンダード・ナンバー。ベンの曲はボブ・ディラン作で原曲はかなりラフなフォークソングです。アルバム「遠い渚/A Dsitant Shore」のボーナストラックとして収録された”Night and Day”で初めて二人が一緒に演奏しそれをきっかけにエヴリシング・バット・ザ・ガールが結成されたそうですので、記念すべき一曲ということになります。(→2010年1月5日の記事~ふたり~Simon & Garfunkelも見てね)

  どちらも、ボッサノヴァのリズムを基調にしたシンプルなつくりですが、ギターのバックのみで歌われるからこそ、ピーンは張り詰めたような、寂寥感ー”ひとり感”が胸をうつのかもしれません。



Ben Watt-"You're Gonna Make Me Lonesome When You Go"